ブロックチェーンのことについて話す場合、一般的には未来のアプリについて考えるでしょう。
「ブロックチェーンはコレを解決して、ブロックチェーンでアレができるようになる」と。
ブロックチェーンはすでに世の中に展開されているということは忘れがちです。
自動車から AI まで業界を選び、実際にもう使われている例を勝算と共に例に挙げています。
様々な方面、様々な範囲でブロックチェーンはその足跡を残しています。
アメリカ合衆国財務省ですら実行に移しており、さらに多くのパイロットプロジェクトやテストプログラムの実行を提唱しています。
世界経済フォーラムでは、2025 年までに世界 GDP のうち 10 %がブロックチェーン上に保管されると予測しています。
つまり、世界の重役たちはこの大きな変化に対してすでに準備を進めており、完全に支援する方向です。
分散台帳技術の衝撃は、インターネット革命と同じくらい大きなものとなるでしょう。
実際の使用例は色々ありますが、技術を使用することで得られる恩恵は変わりません。
透明性、不変性、冗長性、安全性です。
2018 年、新しいブロックチェーンが毎日のように生まれています。
世界中で使われているブロックチェーンの例を、下記に 34 個挙げています。

政府

いくつもの政府がブロックチェーン技術に対する興味を表しており、公式記録を分散型データ管理フレームワークに保存しようとしています。
Essentia はフィンランドの農業生産者と森林所有者中央連合と共に電子政府を開発しています。
ブロックチェーンはフィンランド全体で都市と地方の住民全員が記録にアクセスできるようにします。
他にも、教育、公式記録、投票といった政府アプリも含まれます。

ゴミ管理

Waltonchain の RFID 技術は中国のスマートゴミ管理システムに使われています。
Walton のブロックチェーンを使うことでゴミの量を監視し、作業効率の改善や資源を最大限活用できるようにしています。

ID

スイスのツークは「クリプトバレー(暗号の谷)」として知られており、Uport とブロックチェーンプロジェクトを提携し、住民の ID 登録システムを開発しました。
住民はオンライン投票をすることができ、在住証明もできます。

出入国管理

Essentia はオランダ政府と会議を重ね、アムステルダムとロンドン間を行き来する乗客の検閲を行う新しいシステムを作ろうとしています。
現在、ユーロスターに乗って国境を越える乗客は複数のポイントで出入国管理を受けなければなりません。
Essentia は安全に乗客データを保管するブロックチェーンベースのソリューションを研究しており、オランダで記録されたメトリクスをイギリスの機関で審査できるようにしています。
ブロックチェーンを利用することで、データが改ざんされず、正確であると立証する方法を提供します。

ヘルスケア

医療記録はひどく散乱していて誤っていることも多いです。
データの扱い方に一貫性はなく、病院や診療所では患者の間違ったデータや不完全なデータを強制的に扱わされています。
MedRec といったヘルスケアプロジェクトはデータ共有を楽にして、確証を提供した上で機密性も確保する方法としてブロックチェーンを利用しています。

事業

Microsoft Azure Enterprise の顧客はサービスとしてイーサリアムのブロックチェーンにアクセスできます。
事業者に安全な環境でスマートコントラクトやブロックチェーンアプリへのアクセスを提供します。
Google も自社のクラウドベースビジネスをサポートするため、専用のブロックチェーン開発に取り組んでいることが報じられています。
親会社の Alphabet は第三者がデータ保存に使えるような分散台帳を開発しています。
おそらく Google の事業者用クラウドサービスに利用され、会社用のホワイトラベル版も制作されています。

医療

患者の記録をデジタル化した医療センターでは、複数の施設にデータを分散することはなく、現地の集中型サーバーに保管しています。
これはハッカーたちにとって格好のターゲットとなり、イギリスの国民保健サービスの病院がランサムウェアの攻撃を受けたことがそれを証明しています。
セキュリティリスクをしっかり管理していたとしても、断片化の問題もあります。
現時点で 50 種類以上の電子医療記録のソフトウェアシステムがそれぞれ違う病院で運用されており、同じ市内でも違った形のパッケージだらけです。
これらの集中型システムは相互運用できず、患者の情報はそれぞれの場所で散り散りになっています。
生死にかかわる状況で、信頼できるデータの欠如と面倒なインターフェースは悲惨です。
Essentia のフレームワークではブロックチェーンによるシステムを利用することで、臨床的に関連性のある患者データを保管し、場所に関わらずすぐにアクセスできます。
アクセス可能なのは医療的に認可された人たちが、必要な時期だけ閲覧可能となるので、安全な分散型ネットワーク上で患者のプライバシーも守られます。

音楽

ブロックチェーン技術の大きな利点は仲介人や媒介者が不要になるところです。
音楽業界は特に非能率で有名な業界で、アーティストの報酬はその努力に対して非常に少ないものです。
多くのブロックチェーンプロジェクトが音楽クリエイターたちにもっと公平な取引ができるように立ち上がっており、元 Guns N Roses のマット・ソーラムが監督をしている Artbit も含まれています。

カーボンオフセット

著しく工業化された国として、中国の環境に対する足跡は重要です。
2017 年 3 月、中国の炭素資産を追跡する方法として、IBM は Energy-Blockchain Labs と合同でHyperledger Fabric ブロックチェーンを立ち上げました。
これにより排出量の計測と審査が可能となり、エネルギー消費を相殺したいと考えている企業にとっての取引マーケットとなる一方で、より環境に優しい運用への動機づけに繋がります。

サプライチェーン

サプライチェーンの管理はブロックチェーンの活用法の中でも非常に恩恵が大きいと考えられているものです。
最初から最後まで商品が多くの人の手を渡る業界、製造業者から販売先までというビジネスモデルに理想的です。
IBM と Walmart は中国でブロックチェーン食品安全同盟を立ち上げるため、協力体制を取りました。
プロジェクトはフォーチュン 500 企業の JD.com と合同で運用し、食料流通と安全性を改善するために構築され、食品が安全に消費できるということを証明するのが容易になります。
中国はブロックチェーンプロジェクトの円熟したテストベッドであることが証明されつつあり、世界で最初の農産物ブロックチェーンの運用地となっています。
大規模な食品貿易業者である Louis Dreyfus Co は中国に大豆を販売しているオランダとフランスの貯蔵所とプロジェクトを立ち上げ、今までの方法よりも速い取引が行われています。
ブロックチェーン技術に感謝しなければなりません。

ダイアモンド

世界一有名なダイアモンド会社、デビアスグループは自社のブロックチェーンを立ち上げ、「プラットフォームに登録された全てのダイアモンドのデジタル記録」を構築しています。
ダイアモンドの供給元に対する懸念、産出された国での倫理の懸念、さらには価値の低い石と交換されてしまうリスクといった面において、ブロックチェーンは自然とフィットします。
各記録が消されることはないため、ダイアモンドが残る限り、石の情報も残っていくことが保証されます。

不動産

ウクライナは土地の取引にブロックチェーンを利用した最初の国という名誉を掴みました。
キエフにある土地が卓越した暗号通貨の支持者と TechCrunch の創設者、マイケル・アーリントンにより売却されました。
取引はイーサリアムのブロックチェーン上でスマートコントラクトが締結され、Propy というブロックチェーンベースの不動産取引に特化したスタートアップによる最初の取引となりました。

漁業

ブロックチェーンは安定した漁業を支えるためにも使われています。
違法漁業はこの業界特有の問題で、分散台帳技術は魚がどこで漁獲されたか、どこで加工されたか、どこで売られたかを証明する方法を提供します。
この「網から皿へ」のチェーンは、この魚が人権侵害されているような地域から来ていないか、経済制裁が行われている国から来ていないかということを検査官が調べられるようにします。

芸術

ダイアモンド取引と同様に、アート業界は作品の出所と確実性に大きく依存する業界です。
作品が本物か贋作かどうかはブロックチェーンでは定義できませんが、作品の以前の所有者を証明することができます。
さらに、ブロックチェーンは作品を獲得する方法としても使えます。
有形の物を世界中どこでも、簡単に取引したり交換したりできるブロックチェーン技術活用法の一例であり、安全に保管されているところから、物理的に移動させなくてもよくなります。

公共事業

オーストラリアの都市、フリーマントルではエネルギーと水の分配システムに特化した野心的なプロジェクトがブロックチェーンを使用して行われています。
太陽に恵まれた地域で電気を生産するためにソーラーパネルが利用され、それはさらに水を熱したり、エネルギーを供給したりするためにも利用され、ブロックチェーン上にデータが記録されます。
チリの国立エネルギー委員会は国のエネルギー使用に関するデータを証明する方法としてブロックチェーン技術を使い始めました。
機密データがブロックチェーン上に保管され、南アメリカの国々で電気インフラを現代化、安全化するために活用されます。

LGBT の人権

ブロックチェーンは「ピンク経済」を構築するのにも有効です。
また、個人的にカミングアウトしなくても、LGBT の人たちが人権を主張するのも助けてくれます。
後者は特に重要です。
ゲイのコミュニティにおいてヘイトクライムは何度も繰り返し発生している問題で、特に人権侵害で有名な国々、同性愛が違法、または賛成されない国々で有効となります。

キャットボンド

キャットボンドは地震、津波といった自然災害の被害者となった人たちにとって唯一の光となります。
ブロックチェーンで素早く透明性の高い支払いが行われ、人がいなくてもシステムが運用され続けるという安心感が得られます。
ブロックチェーンはキャットボンドの支払いメカニズムとしても成功例を作りました。

旅行

ブロックチェーンは旅行者たちに現地の商品やサービスをビットコインや他の通貨で支払う選択肢を与え、ハワイの経済を活性化したという研究があります。
州政府はこの方法で、特にアジア圏から多くの観光客を呼び寄せてお金を使ってもらい、ハワイの経済成長を促すことを望んでいます。

国家安全

2016 年、アメリカ合衆国国土安全保障省は、安全にデータを送信する方法としてブロックチェーンを利用するというプロジェクトを発表しました。
監視カメラや他のセンサーから回収したデータを暗号化して保存し、情報漏洩のリスクを軽減する方法として Factom のブロックチェーンを使用します。
このプロジェクトは現在進行形です。

運送

輸送データを記録するためにブロックチェーンが非常に合っていることは明白です。
いくつものプロジェクトがこの分野で分散台帳技術を使用しており、海上物流業界では避けられない国際貿易のための煩雑な手続きに透明性をもたらします。
世界でも有数の国際運送業者である Maersk はブロックチェーンを利用するパイオニアとなり、ZIM が現在その後を継いでいます。

課税

世界でも特に技術が進歩している国、中国は世界で最初、そして傑出したブロックチェーンの採用国です。
この技術を用いて課税を容易にするため、そして電子請求書の発行をするため、Miaocai Network と国家税務総局が合同で指揮を執っています。

携帯電話料金支払い

暗号通貨とその下にあるブロックチェーン技術は、様々なプロジェクトで携帯電話料金の支払いを容易に目的で使われています。
最近発表された最新のものは 2018 年秋に開始予定で、日本の全国銀行組合が関与します。
Ripple の技術を使い、携帯電話料金の支払いをすぐにできるようにする予定です。

土地登記

繰り返しになりますが、ブロックチェーンは暗号空間や小さい企業に応用できるだけではありません。
ジョージア政府は土地所有権の登記に利用しています。
特別設計のブロックチェーンシステムを開発し、国立公共登録機関( NAPR )の電子記録システムと統合しました。
ブロックチェーン技術により、ジョージアは透明性と詐欺の減少を実現しています。

計算

Amazon のウェブサービスは Digital Currency Group ( DCG ) とコラボし、ブロックチェーンの力を借りてデータベースのセキュリティを向上させています。
これにより DCG はプラットフォームを運用する場所が与えられ、プロジェクトの技術サポートも受けられるようになっています。

保険

保険業界でのブロックチェーンはよく言われていますが、すでに技術が適用されているということを知っている人は少ないでしょう。
たとえば、アメリカン・インターナショナル・グループの保険会社が IBM と提携し、いわゆる「スマート・コントラクト」スタンダードチャータード銀行の多国籍政策のパイロット版を完成させ、ブロックチェーンを通じて複雑な国際填補範囲の計画と管理を行っています。

絶滅危惧種保護

人は別の人にとってのオオカミとなり、動物にとってはさらに大きなオオカミとなります。
Care for the Uncared という NGO は、主要開発者たちと協力してブロックチェーン技術を用い、絶滅危惧種の保存と保護する方法を探る取り組みを行っています。

広告

New York Interactive Advertising Exchange は NASDAQ と協力し、ブロックチェーンを利用して、ブランド、出版社、代理店が広告を購入できる市場を作っています。
方法はシンプルながらもできる限り安全を期し、イーサリアムのブロックチェーンのオープンプロトコルを利用しています。

報道

現在、報道の分野では永続性が熱いトピックとなっています。
一つ間違いが起これば、何年もの努力と調査が水の泡となってしまいます。
この問題を解決するのに、ブロックチェーンは一つの良い方法です。
Civil は分散型の報道市場で、ブロックチェーンの明白な利点とは違い、質の良いニュースコンテンツに経済的なインセンティブモデルを提供し、永久的にコンテンツを保存する能力があります。
つまり、いつでも未来永劫アクセスできるようになるのです。

スマートシティ

スマートシティはもう SF 世界の話ではありません。台北は分散台帳技術を用い、未来都市になろうとしています。
ITOA との提携を発表し、すでに光、気温、湿度、環境汚染状況を検知するカードの開発に取り組んでいます。

石油産業

生活必需品市場の中でも先進的な S&B Global Platts はブロックチェーンを利用して石油貯蔵データを記録する試験運用をしています。
週ごとの棚卸状況がブロックチェーンに保存され、人力でのデータ管理の必要性を削減し、ヒューマンエラーの発生を最小限に抑えています。

鉄道

ロシアでは Novotrans という鉄道会社が運営スピードを上げるためにブロックチェーン技術を利用しています。
この会社は国内でも最大級の車両運用企業であり、修理要請、棚卸など、運用に関連するデータを記録するためにブロックチェーンを利用する予定です。
ブロックチェーン上の記録は改ざんやデータ破損に強いという考えで応用されています。

ゲーム

ゲーム業界でも特に影響のある会社、Ubisoftはテレビゲームにブロックチェーンを組み込む方法について研究しています。
特に報酬やコレクションなど、ゲーム内のアイテムの所有権や譲渡に注目しています。
すでにイーサリアムのブロックチェーンを用いて、デモの成功を収めています。

カーリース

ブロックチェーンの分散台帳技術はどのような形でも、安全かつ変更できないように記録を残す方法として理想的です。
Essentia が開発している一つのケースはカーレンタル業界です。
主要なレンタル会社は Essentia のブロックチェーンプロトコルを使うことで、顧客情報を完全に暗号化された状態で保存し、許可された環境下で関連する人々と共有することが可能となります。

エネルギー配給

エネルギー業界が直面している大きな課題の一つが、過剰供給する傾向のある会社は絶対に確実な記録を付けていかなければならないということです。
エネルギー配給はリアルタイムで記録し、サプライチェーンを通じて効率的な配給を保証するためには複数のデータポイントが必要となり、全ての法人が密接に協力しなければならない。
Essentia は多くのエネルギー供給会社とテストプロジェクトを開発しており、資源の配給状況をリアルタイムで取得し、常にデータを機密扱いで管理することができます。

現実の世界で使われている、いくつものブロックチェーンのシナリオは日々成長していきます。
物流から芸術まで、この対応力のある技術がまだ触れられていない分野を探す方が困難です。
現在使われている手段よりも、ずっと優れている技術だということが証明できるところまで上り詰めました。
世界経済フォーラムでは 2025 年までにブロックチェーンが主流となって応用されていくと予想しています。
しかし、こうしてすでに利用されているケースを見てみると、本当にそんなに時間がかかるの?と聞きたくなります。
しかし、進歩を妨げる小さい障害物がたった一つだけあります。
それは相互運用性です。
今までの15年間、何事もなく平和に流れていた川を考えてみましょう。
そこに突然、嵐がやってきて一週間雨を降らし、川を荒れ狂う激流にしてしまい、流れの中にあるものを全て流し去ってしまいました。
この川こそが Web 2.0 であり、ブロックチェーンの嵐はすでにインターネットの風景を変えてしまいました。
そこで何が残るでしょう?
雨が止み、氾濫も治まり、古い葉っぱは全て流され、ただただ広大な何もない肥えた土地が耕されるのを待っています。
今まで流れを作り、自然な生態系の中で相互関係を築いていた川はなくなってしまいました。
同じことが Web 3.0 でも起こっています。
それぞれの分野での成長は見えても、まだ全然お互いに相いれない状態です。
しかし、あーら不思議!もうすでに解決策が見出されているのです。
それは Essentia で、この肥えた土地の上に新しい分散型エコシステムを築くための農具のようなものです。
その役割は繋がりを作り、相互運用を促して結合力のあるブロックチェーン環境を作り出すことです。
つまり、ヘルスケアのブロックチェーンは保険のチェーンとも互換性があり、国際鉄道のチェーンと国境税関のチェーンにも互換性があることを意味します。

Essentia はデジタル世界がブロックチェーンを組み込む過程の速度を上げるために必要な乗り物のようなものです。
最初に予測された時期よりも 50 %早く見られることになるだろうと言う人もいます。
そうすると、2020 年あたりにはインターネットのエコシステムは相互運用性を取り戻し、分散型ブロックチェーンがプライバシー、セキュリティ、データの所有権といった穴を埋めていくでしょう。

Source : 50+ Examples of How Blockchains are Taking Over the World
※ 原著者に翻訳及び転載の許諾を得ています。

Published by イセ ハヤト

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