はじめに

オンライン才能診断ツールのストレングスファインダーを受けたところ、僕の第 1 位は目標志向でした。この強みの資質を最大化するために目標の立て方を深掘りしました。

その結果、目標だけではなく目的、戦略および戦術を同時に決めることによって、何事も効率的に達成できることを理解しました。この思考法を自分のものにするためにエッセンスを整理・言語化しました。

目的・目標・戦略・戦術の違い

目的と目標

目的とは

目的

1. 実現しようとしてめざす事柄。行動のねらい。めあて。

2. 倫理学で、理性ないし意志が、行為に先だって行為を規定し、方向づけるもの。

デジタル大辞泉 「目的(モクテキ)とは」 小学館

目標とは

目標

1. そこに行き着くように、またそこから外れないように目印とするもの。

2. 射撃・攻撃などの対象。まと。

3. 行動を進めるにあたって、実現・達成をめざす水準。

デジタル大辞泉 「目標(もくひょう)とは」 小学館

目的と目標の違い

目的( objective )は行為に先立って行為を規定し、方向づけるものでした。目標( target )はそこ(方向)に行き着くように、またそこから外れないように目印とするものでした。

目的と目標の違いを簡潔に例えた有名な言葉があります。

目的はパリ占領、目標はフランス軍

戸部良一、寺本義也、鎌田伸一、杉之尾孝生、村井友秀および野中郁次郎『失敗の本質―日本軍の組織論的研究』(中公文庫、1991 年)

目的は攻撃に先立ってパリ占領を規定し、戦争を方向づけることです。一方、目標はパリ占領という目的から外れないようにフランス軍を目印にすることです。目的と目標の違いは「目的はパリ占領、目標はフランス軍」の言葉で理解して頂けるかと思います。

戦略と戦術

戦略とは

戦略

1. 戦争に勝つための総合的・長期的な計略。

2. 組織などを運営していくについて、将来を見通しての方策。

補説) 具体的・実際的な「戦術」に対して、より大局的・長期的なものをいう。

デジタル大辞泉 「戦略(せんりゃく)とは」 小学館

戦術とは

戦術

1. 戦いに勝つための個々の具体的な方法。

2. ある目的を達成するための具体的な方法・手段。

デジタル大辞泉 「戦術(せんじゅつ)とは」 小学館

戦略と戦術の違い

戦略( strategy )は戦争に勝つための総合的・長期的な計略のことでした。戦術( tactics )は戦いに勝つための個々の具体的な方法のことでした。

目的がパリ占領で、目標がフランス軍の場合、戦略はフランス軍との戦争に勝つための計略です。一方、戦術はフランス軍の兵士との戦いに勝つための個々の具体的な方法です。これらのことから、戦略と戦術は勝つための方法であることは共通しています。

しかし、補説によると、具体的・実際的な戦術に対して、戦略はより大局的・長期的なものだそうです。したがって、戦争に勝つための大局的または長期的な方法は戦略です。一方、戦いに勝つための具体的または実際的な方法は戦術です。

戦略と戦術の違いは 2 点あることが分かります。1 つは方法が大局的または長期的なのか、具体的または実際的なのか、という点です。もう 1 つは戦争に勝つための方法なのか、戦いに勝つための方法なのか、という点です。

戦争( war )と戦い( fight )の違いは英訳するとイメージしやすいかと思います。

war

戦争は短期的ではなく長期的です。また、戦争は大局的な視点が求められるかと思います。

fight

一方、戦いは具体的または実際的です。要は実際に銃を撃ったり、爆弾を投下したりすることの全てが戦術に当てはまります。

テレビや歴史の教科書で戦争の様子を見たことがあるかと思います。僕らが目にしていることの殆どは戦術です。

アメリカがサウジアラビアの石油施設をドローンで攻撃したことが話題になりました。ドローンで攻撃することは戦術です。一方、戦略は指揮官の口から言わない限り、分かることではありません。軍事評論家の方々がアメリカの戦略を述べたところで、それはあくまでも軍事評論家の推察です。戦略は基本的に観察しても分かることではありません。つまり、戦略は目で見ることができないことです。一方、戦術は目で見ることができることです。

ビジネスの場面で言い換えると、消費者が目にする企業活動の殆どは戦術です。戦略と戦術の違いは目で見えることなのか、目で見えないことないのか、という点とも言えそうです。

目的・目標・戦略・戦術の思考法

目的、目標、戦略および戦術の違いが理解できたかと思います。さて、これらの違いを理解した上で活用する方法を説明したいと思います。

目的・目標・戦略・戦術の順序で決める

目的・目標・戦略・戦術の順序で項目を決めることによって、一貫性のある戦術を列挙することができます。つまり、効果的な戦術をとることができます。その結果、効率的に目的を達成することが可能になります。

目的、目標、戦略および戦術の関係

逆に戦術から項目を考えると、いわゆる手段の目的化という状態に陥り易いです。

目的なき目標は虚しい

目的がない目標は意味を感じることができません。

19 世紀ロシアの文豪、ドストエフスキー は、自身の収監体験をもとにして書いた『死の家の記憶』において、たとえば「バケツの水を他のバケツに移し、終わったらまた元のバケツに戻す」といった「まったく意味を感じることのできない仕事」こそが「最も過酷な強制労働」であり、これを何日もやらされた人間は発狂してしまう、と書き残しています。 レンガを焼くとか畑を耕すといった作業は、それが肉体的にどんなに厳しくても、最終的に家が建ったり、野菜ができたりすることに意味を感じられるのでまだ耐えられるけれども、意味のない労働には誰も耐えられないというのですね。

山口周『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』(ダイヤモンド社)

この話から分かる通り、意味を感じられない目標は苦痛です。難易度が低い目標ではなく高い目標は継続しなければ達成することができません。意味がなく苦痛で高い目標は達成の難易度が高まってしまいます。なので、目標の目的化が重要なんです。

良い目的の 3 つの特徴

目的なき目標は良くないです。しかし、とりあえず目的を決めればいいわけではありません。そこで、目的が良いかどうか判断する 3 つのポイントを紹介します。

実現可能性(ギリギリ届く高さを狙う)

目的は遠すぎてもダメ、近すぎてもダメ。「無理だとは思わないけど、それは高い目的だな」と思える塩梅が大事

森岡毅『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』(角川書店)

シンプルさ

要素がたくさん含まれる複雑な目的設定は機能しません。それぞれの多元的目的における優先順位を明確にしなくてはならなくなり、長くて認識しにくくて覚えにくい、更には戦略や戦術まで複雑でどうしようもないものに変貌させてしまいます。

森岡毅『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』(角川書店)

魅力的かどうか

1 人 1 人が奮い立つような魅力を備えた目的を設定することです。頭だけではなく、心からどうしても達成したくなるような目的が設定できれば、どんどん人を巻き込んでいくことができます。

森岡毅『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』(角川書店)

全力を尽せば届きそうで、非常に分かり易く、達成した未来にワクワクするような目的が良いです。

戦略と戦術はどちらが大切か

仮に海が綺麗なリゾート地に行くことを目的とします。目標は奄美大島にします。この場合、良い戦略は正しい方向に、悪い戦略は間違った方向に進みます。良い戦術は効率的な移動手段を、悪い戦術は非効率な移動手段を使用します。

戦略と戦術の良し悪し

戦略も戦術も良い場合、正しい方向に進み、移動手段は例えば飛行機で非常に効率が良いです。これは疑うことなく一番良い組み合わせです。

戦略も戦術も悪い場合、間違った方向に進み、移動手段は例えば自転車で非常に効率が悪いです。これは疑うことなく悪い組み合わせです。

ここからが重要なポイントです。

戦略は良いが戦術が悪い場合、正しい方向に進み、移動手段は例えば自転車で非常に効率が悪いです。これは到着が遅くなるかと思いますが、着実に目的の達成に近づきます。

戦術は良いが戦略が悪い場合、間違った方向に進み、移動手段は例えば飛行機で移動速度は非常に速いです。しかし、間違ってアメリカのハワイに向かってしまい、他の戦略・戦術と比べて多くの資源(お金と時間)を投入したのにも関わらず、行動を起こす前よりも大変な状況になっていることが予想されます。経済学の言葉で言い換えるとサンクコスト(埋没費用)が発生してしまった状況です。「こんなに時間を掛けたのになあ」「たくさん投資したのになあ」などの感情が意思決定を邪魔してしまい、やめる判断が難しくなり、無駄にランニングコストが掛かり続ける…とかです。

上記の事例を元に戦略と戦術の組み合わせをランキング化すると、1 位は「戦略も戦術も良い」2 位は「戦略は良いが戦術が悪い」3 位は「戦略も戦術も悪い」4 位は「戦術は良いが戦略が悪い」となります。3 位と 4 位は状況によって前後するかもしれませんが、意外な結果ではないでしょうか。

もちろん、戦術も重要です。戦略が良くても戦術が悪い場合、着実に前進しますが、達成するまでに時間が掛かります。もしかしたら目的を達成する前に資源が枯渇するかもしれません。戦略が良いだけでもダメです。

ともあれ戦術よりも戦略の方が圧倒的に大切です。

良い戦略の 4 つの特徴

戦略がダメだったら何もかもダメになります。そこで、戦略が良いかどうか判断する 4 つのポイントを紹介します。

Selective(選択的かどうか?)

Selective(セレクティブ:選択的かどうか?): やることとやらないことを明確に区別できているかということ。

森岡毅『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』(角川書店)

戦術案を思い付いた時、やる・やらないを即座に判断できる戦略かどうかということです。

Sufficient(十分かどうか?)

Sufficient(サフィシエント:十分かどうか?):戦略によって投入されることが決まった経営資源がその戦局での勝利に十分であるかどうか ということ。

森岡毅『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』(角川書店)

戦略を元に戦術を列挙し、それらが目標の達成に十分なものか、投入予定の経営資源が実行に足りるかどうかということです。

Sustainable(継続可能かどうか?)

Sustainable(サステイナブル:継続可能かどうか?):立てた戦略が、 短期ではなく中長期で維持継続できるか という視点です。

森岡毅『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』(角川書店)

戦略を長く維持できるということは、長く競争優位を維持できるということです。戦略が真似されにくいか、経営資源がすぐ枯渇しないか、確認すると良いです。

Synchronized(自社の特徴との整合性は?)

Synchronized(シンクロナイズド:自社の特徴との整合性は?): 自社の特徴(強みと弱み、あるいは経営資源の特徴)を有利に活用できているかということです。

森岡毅『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』(角川書店)

大企業は資源(ヒト・モノ・カネ)が非常に豊富です。その一方、意思決定が遅いなど、必ず弱点があります。ベンチャー企業が大企業を相手にする場合、自社の強みと他社の弱みを鑑みて有効な戦略を立てるべきです。大企業側の Yahoo! Japan の川邊 健太郎さんが大企業を倒すための戦略を解説しています。

ヤフーもご多分にもれず、100個サービスがあります。100個サービスがあるとどういうことになるかというと、このように、みなさん平等の思想の中で、だいたい同じようにリソースが分配されてしまうわけです。

ログミーBiz『ヤフー川邊氏があえて教える「大企業の倒し方」ベンチャー企業が取るべき3つの戦略を説く』ログミー株式会社

ベンチャーは1つのサービスしかやっていません。それに対してリソースを供給できます。例えば、スマートニュース。38億円調達して、累積の調達額91億円ですよ。Yahoo! JAPANの各サービスは3.5億円しかありません。

ログミーBiz『ヤフー川邊氏があえて教える「大企業の倒し方」ベンチャー企業が取るべき3つの戦略を説く』ログミー株式会社

大企業はこのようにリソースがばらけてますので、一極集中。1つのことに集中すべきだと思います。

ログミーBiz『ヤフー川邊氏があえて教える「大企業の倒し方」ベンチャー企業が取るべき3つの戦略を説く』ログミー株式会社

目的・目標・戦略・戦術の例

具体的な話を交えながら目的・目標・戦略・戦術の思考法をさらに深く説明します。加えて、目的・目標・戦略・戦術に整理しながら気付いたことも序でに解説します。個人的に目的・目標・戦略・戦術はマインドマップで整理すると分かり易いです。なので、具体的な話をマインドマップで整理した後、説明します。

ピーチ・アビエーション

ピーチ・アビエーションの井上慎一社長と創業当時にお話しさせていただいた際、筆者からの「ピーチは何のために存在する会社なんですか」という不躾な質問に対して「それは戦争をなくすためですよ、山口さん」と即答されていました。

「過去には日本とアジアの国々とのあいだで不幸な出来事がありましたね。ああいうことを二度と起こさないために、友達がいろんな国にいるという状態にしたいんです。そのためには若いうちからどんどん外国に出て、いろんな文化に触れ、たくさんの人と知り合ってほしい。ではどうするか? 財布の軽い若い人でも乗れて、いろんな国に行ける、そういう航空会社が必要なんです。ピーチはそれをやるんです」

山口周『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』(ダイヤモンド社)

Peachが目指すのは「アジアのかけ橋」

手頃な航空運賃で誰もが気軽に移動できるようになることで、人と人とが出会い、そこから生まれる感動や笑顔で溢れる世界をつくることが私たちの夢です。日帰り海外旅行を楽しむ大学生。台北から沖縄のヘアサロンに通う台湾の女の子。遠くに住む恋人に頻繁に会いに行く遠距離恋愛中のカップル。

1円にこだわり、コスト競争力で他社に打ち勝つ

Peach Aviation『Peach について』Peach Aviation 株式会社

飛行機はまっすぐではなく少し斜めに止まっているのですが、そこがポイント!斜めに止まっていることで、出発時にトーイングされることなく、機首からぐっとカーブして出発することができるのです。これによって、トーイングにかかるコストはもちろん、出発時にかかる時間も短縮しているわけですね。

CA Media『こうして低価格が実現!ピーチに学ぶLCCの安さの秘密』
株式会社シーエーメディアエージェンシー

ピーチはエアバスの A320 のみで国内線も国際線も運航しています。確かに国際線としてはシートピッチは狭いのですが、フライトタイムも最大 4 時間ほどなので耐えられなくもないですよね。1 機材に絞ることで整備コストも下がり、万が一シップチェンジが発生しても、CA もパイロットも変更せず飛ぶこともできます。

CA Media『こうして低価格が実現!ピーチに学ぶLCCの安さの秘密』
株式会社シーエーメディアエージェンシー

ピーチのチェックイン機はなんと段ボール製です!段ボール製なので、普通のチェックイン機よりももちろんコストが下がるのが分かりますよね。

また、ピーチのチェックイン機では座席指定はできません。座席指定はあらかじめ web でするため、チェックイン機でできるのは本当に限られた機能のみ。様々な機能がある他の航空会社のチェックイン機よりシステム開発費用も安く、システムのランニングコストも安く抑えることが可能なのです。

CA Media『こうして低価格が実現!ピーチに学ぶLCCの安さの秘密』
株式会社シーエーメディアエージェンシー
ピーチ・アビエーションの目的・目標・戦略・戦術の一例をマインドマップ化

ピーチ・アビエーションの目的・目標・戦略・戦術

ピーチ・アビエーション(以下、ピーチ)創業当初、井上慎一(以下、井上氏)は会社の目的を「戦争をなくすこと」と断言しています。「戦争をなくすこと」という目的はシンプルで魅力的です。しかし、失礼かもしれませんが、現段階のピーチの目的としては実現可能性が低いように感じます。

一方、HP に書かれている「アジアのかけ橋」は実現可能性が高いように感じます。創業当初のインタビューの回答と現在の HP の内容を見る限り、目標は殆どの変わってないように見えます。勝手な想像ですが、ピーチの大目的は「戦争をなくすこと」のままだが、中間目的として「アジアのかけ橋」と掲げているのではないかと思いました。この想像を元にマインドマップ化しました。

このマインドマップの作成から学んだことは、場合によって目的は大目的・中目的・小目的のようにフェーズを分けることもあるだろうということです。

会社の場合、基本的に目的は創業者が決めます。コンサルタントを雇った場合、その目的に沿った目標、戦略および戦術に関するアドバイスをもらえるはずです。戦略は経営陣と中間管理職が話し合いながら決めると思います。戦術は中間管理職とプレイヤーが決めることではないかと思います。

さて、ここで気付く方もいらっしゃるかと思いますが、経営陣と中間管理職が決めた戦略がダメな場合、プレイヤーの戦術が優れていたとしても、この場合は目的の達成にほとんど寄与しないんです。『戦略と戦術のどちらが大切か』で前述した通り、奄美大島に向かうはずの方向(戦略)が間違っていた場合、移動手段(戦術)が例えば飛行機で非常に優れていたとしても、結果違う場所に離陸するんです。つまり、戦術の良し悪しが目的の達成に貢献する時は戦略が優れている時だけです。

だからと言って、プレイヤーは目的が達成できないことの責任を全て上司のせいにしていいはずがありません。戦略がハッキリしていなかったり、間違っていそうだったりする時は上司に質問したり、仮説をぶつけたり、提案したりするべきです。

大切なのは、与えられた問題点(仮の論点)を鵜呑みにせず、「本当の論点はなにか」と考える態度だろう。多くのビジネスパーソンは、与えられた論点について質問などせず、すぐに着手するだろう。上司に「なぜこれをやるのか」「目的はなにか」などと聞くことはあまりないかもしれない。

だが、課題が指示された段階で、質問したり、仮説をぶつけたりするのは重要なことだ。実は上司も論点が明確でないまま、部下に仕事をふり分けているケースがある。だから質問や仮説をぶつけることによって、上司の論点を明確にしていく作業は重要なのである。

内田和成『論点思考』東洋経済新報社

上司から与えられた戦術を鵜呑みにせず、戦略を問い直したり、仮説をぶつけたり、提案したり、自責思考で目的の達成に貢献する人こそが当事者意識を持った人ではないかと思います。

漫画『One Piece』

少しくだけた例で説明しようと思います。漫画『One Piece』の作中の話でも、目的・目標・戦略・戦術を分類することができます。

※ 『One Piece』をご存知ではない方は飛ばして下さい

支配なんかしねェよ この海で一番自由な奴が 海賊王だ!!!
“海賊王” に!!! 俺はなるっ!!!!
漫画『One Piece』の目的・目標・戦略・戦術の一例をマインドマップ化

『One Piece』主人公、ルフィの目的・目標・戦略・戦術

『One Piece』の主人公、ルフィの目的・目標・戦略・戦術を簡単にマインドマップ化しました。

『One Piece』の一大テーマは自由だと思います。

麦わらの一味の冒険自体、ルフィの体現する「自由」との対比としてのそれぞれの「思い込み」から始まる物語でもあります。 ルフィは自由そのものを体現する存在である一方で、 ゾロは、『強さ』に捉われ、 ウソップは、『虚栄心』に捉われ、 サンジは、『家族』に捉われ、 ナミは、『お金』に捉われ、 チョッパーは、『差別』に捉われ、 ロビンは、『歴史』に捉われ、 フランキーは、『才能』に捉われ、 ブルックは、『約束』に捉われている状態でルフィと出会い、仲間に加わる。 そして、ルフィと冒険をしていく過程で、彼ら自身がそんな思い込み、いわば思考の枷から徐々に自由になっていく。 つまり、ルフィという存在を通して、周囲の人たち、だけじゃなく、やがてはおそらく『世界』そのものが、本当の『自由』の価値に目覚めていく、それがONE PIECEのテーマではないかと。

川口比呂樹『ONE PIECE(ワンピース)をひと月近くかけて全巻一気読みをした直後に弁護士に「全巻読み直し」をすすめられた話』マンガ新聞

ルフィの口癖に「”海賊王” に!!! 俺はなるっ!!!!」というセリフがあります。一見、ルフィの目的は海賊王になることのように思えます。しかし、前述した通り、『One Piece』のテーマは自由です。そして、あるシーンで「この海で一番自由な奴が海賊王だ!!!」と言っています。ルフィにとって自由の象徴は海賊王なんだと思います。自由になることによって海賊王になるのではなく海賊王になることによって自由になるのです。そして、ゴール・D・ロジャーに憧れているシーンがチラホラあります。したがって、目的は自由、目標はゴール・D・ロジャー、戦略は海賊王と分類できそうです。戦術は物語の長さに依存するので、かなり簡略化しましたが、海賊王になるための行動の全てが戦術です。

おわりに

目的、目標、戦略および戦術の違いと思考法を説明しました。改めてポイントを箇条書きで振り返ります。

  • 目的は真に達成したいこと(事前に行動の方向性を決めること)
  • 目標は目的によって定められた方向から外れないように目印とすること(一般に目的の達成に必要な対象もしくは目的の達成具合が客観的に分かること)
  • 戦略は目標を達成するための計画のこと
  • 戦術は戦略を元に考えられた手段のこと
  • 目的・目標・戦略・戦術の順序で各項目を決める
  • 目的なき目標は虚しい
  • 良い目的は 全力を尽せば届きそうで、分かり易く、達成した未来にワクワクすること
  • 良い戦略は Selective( 戦術をとるか否か判断可能 )、Sufficient( 目標が達成可能 )、Sustainable( 中長期で維持可能 )および Synchronized( 強み弱みを活用 )の 4 つの特徴がある

以上を踏まえて、読者の方々に特に伝えたいことは以下の通りです。

  • 目的なき目標は虚しい
  • 戦略がダメな場合、どんなに優れた戦術もダメになる
  • 戦術の良し悪しが目的の達成に貢献する時は戦略が優れている時だけ

最後に、目的・目標・戦略・戦術の項目を考える時に自問自答する質問を列挙します。目的・目標・戦略・戦術を英語で言い換えると覚え易いです。

  • 目的 ≒ Why
  • 目標 ≒ Who ( 水準として考える時は Goal )
  • 戦略 ≒ What
  • 戦術 ≒ How
  • Why : 何故やるのか?
  • Who : 誰のためにやるのか?
  • Goal : どんな状態が目的達成か?
  • What : 何を提供するのか?
  • How : どのようにして What を実現させるのか?

本記事を通して一人でも多くの方が目的、目標、戦略および戦術の違いを理解して頂けたら嬉しいです。

著者

イセ ハヤト

ソフトウェアエンジニア

1994年、愛知生まれ富山育ち東京在住。中学時代、オンラインゲーム『メイプルストーリー』に熱中。課金するためにアフィリエイトを始める。大人買い出来るくらいにお金を稼ぎ、次第にゲームではなくインターネット自体に魅了される。大学時代、インカレプログラミングサークル『RE:CODE』で 2 人のエンジニアと出会う。UI/UX デザイナーとして彼らと手を組み、5 つのウェブサービスを開発。鳴かず飛ばずの結果に責任を感じ、チーム解散。プロダクトの成功確率を飛躍的に高められる人材に憧れを抱き、プロダクトマネージャーを志す。過去の開発経験からエンジニアリングの知識の乏しい人がウェブサービスを率いることの危険性を感じ、現在はソフトウェアエンジニアとして活動中。

参考文献

書籍

記事

ヤフー川邊氏があえて教える『大企業の倒し方』ベンチャー企業が取るべき3つの戦略を説く

CA Media『こうして低価格が実現!ピーチに学ぶLCCの安さの秘密』
株式会社シーエーメディアエージェンシー

川口比呂樹『ONE PIECE(ワンピース)をひと月近くかけて全巻一気読みをした直後に弁護士に「全巻読み直し」をすすめられた話』マンガ新聞

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